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日仏ファミリー目線で綴るカナダフランス語圏ケベック。時々フランス・文房具

赤ちゃんの話す「喃語」は世界共通なのか?


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娘は生後1か月頃からおしゃべりをするようになりました。

 

おしゃべりといっても、「あーうー」という「クーイング」と呼ばれるものです。ちなみに「バブバブ」など子音が入っていると「喃語」と呼ばれるます。

 

夫に言わせると娘のクーイングの音は「areuh」と聞こえるそうです。そしてこれはフランスの赤ちゃんに特有なのだとか。
 

疑問

でも不思議です。

 

バイリンガルやマルチリンガル等、子供の多言語習得は10代までとか7歳までとかいろいろと言われています。

 

その前の段階の泣き声・クーイング・喃語から母国語の影響が出るのでしょうか。赤ちゃんの言葉は世界共通じゃないのでしょうか。

 

夫が娘に話しかけているときのフランス語の影響が、もうすでに出始めているのでしょうか。 

 

泣き声

まずは赤ちゃんの泣き声についてですがオーストラリアのPriscila Dunstanさんによると、赤ちゃんの泣き声でその子が何を必要としているのかわかるのだそうです。

 

赤ちゃんの5種類の泣き声 

彼女の研究によれば、赤ちゃんの泣き声は下記の5種類に分類できます。

Neh(ネェ)→Nの音がポイント。 意味「お腹すいたよ」

Owh(アウ)→あくびのような音。意味「眠いよ」

Heh(ヘッ)→Hの音がポイント。意味「おむつ替えて」「気持ち悪い」

Eairh(エァ)→低い音。意味「お腹にガスがたまってるよ」「お腹が痛い」

Eh(エッ)→短い音。意味「げっぷを出したいよ」

 

これらは体の反射によって出る音なので、生後3か月までは国や言語には関係なく世界共通なのだそうです。

 

3か月以降はどうなっていくと彼女が考えているかは残念ながら私が調べた範囲では分かりませんでした。

 

クーイング・喃語

では次にクーイングや喃語についてです。Patricia KuhlさんやBlagovesta Manevaさんの研究をご紹介します。

 

赤ちゃんが聞き分けられる音

KuhlさんのTEDのプレゼン(日本語字幕)によると、生後6~8ヶ月くらいまでの赤ちゃんはみなどの言語のどんな音も聞き分けられるそうです。

  

 

そのため、大人の日本語話者が区別をつけられない英語のrとlも、この頃の日本人の赤ちゃんは区別できるのだそうです。

 

しかし10~12ヶ月になるくらいには音を区別する能力が弱まってきてしまうのだとか。

 

赤ちゃんは自分の母国語で使われる音の統計を脳で取っていて、聞き分けられる音は成長とともに母国語の音に限定していくそうです。

 

この数か月間をかけて自分の周囲が話す言語に適した耳になるといってよいでしょう。

 

6ヶ月頃聞き分けられていた音も、普段聞いている言語の中にない場合は次第に忘れていき、のちに聞き分けられなくなるそうです。

 

単語を覚えボキャブラリーを増やし始めるのは1歳~2歳ころなのかと思っていましたが、その前にまずは母国語の音を習得するんですね。

 

確かに正しく聞き分けられなければ正しく発音することもできませんからね。

 

赤ちゃんが発する言葉

Kuhlさんは音のインプットについてプレゼンしていますが、Manevaさんはアウトプット、つまり赤ちゃんが話す喃語の違いについて研究を発表(フランス語)しています。

 

彼女によれば生後8ヶ月頃には、赤ちゃんの話す喃語は国や方言によって異なってくるそうです。

 

以上のことから、赤ちゃんは生まれてすぐから自分の置かれている環境で話される言語の音の統計を取り始めて、生後8ヶ月くらいからは統計で得た情報を元にその言語の影響を受けた喃語を話し始めると解釈できます。

 

聞く音が限定されてしまう大人

では、「areuhはフランス特有」とはどういうことなのでしょうか?

 

夫のいう「areuh」は私には「あうー」とか「あぐー」と聞こえます。

 

要は、聞き分けられる音が限られてしまった私たち大人が、母国語に影響を受けた耳で娘のクーイングを聞いて母国語の影響を受けて文字に起こしているだけということですね。

 

フランス語の"r"の発音は、無理やりカタカナにするならば、ラリルレロより「ホ」とか「ゴ」の音に近いんです。 

 

赤ちゃんの言葉は世界共通?

以上のことから、クーイングは世界共通、喃語は母国語によって8ヶ月頃から違いが出てくということになります。

 

今回調べた三人の女性のリサーチではバイリンガルやマルチリンガルについては触れられていませんでした。

 

ですが、お子さんをバイリンガルやマルチリンガルに育てたい方は、全ての音を聞き取ることができる赤ちゃんのうちにいろんな言語を聞かせてあげた方がよいということですね。

 

バイリンガル育児のヒント

ただ、一つ注意しなければいけないのは、テレビなどで聞いただけでは赤ちゃんが音を聞き分ける能力が上がらなかったということです。

 

ポイントは人と人のコミュニケーションという環境で聞かせてあげることだそうです。ということは、CDなどの教材ではなく、赤ちゃんの語学スクールなどが良いということですね。

 

私は赤ちゃんの頃のスクールは意味がないと思っていたので、個人的には意外でした。

 

おわりに

私たちも今からフランス語・英語・日本語で話しかけてあげて、娘の音の引き出しをたくさん用意してあげたいと思います。

 

どの言語の影響を受けた喃語を話すのか、今から楽しみです!

 

子供の言語教育って本当に奥が深いなぁと思います。今回調べたのはさまざまな研究のほんの一部。また調べて面白いことが分かったらブログで紹介していきます!

 

1歳半頃の娘の様子。

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フランスの育児にはさまざまな驚きがありました。

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